1.オンボーディングとは?
1:オンボーディング、意味と語源
「オンボーディング(on boarding)」とは英語の「機内で」という意味からきており、ビジネスの場合の機内(乗り物)とは「会社」を意味します。よって、ビジネス上のオンボーディングとは、早期退職を防ぎ優秀な人材教育をすることをさします。
イメージとしては、「新社員が会社に入り一部として働く」という状態です。
2:「オンボーディング」と「新人研修」の違い
一般的な「新人研修」と「オンボーディング」が異なる点は、継続的なものであるかどうかです。
「新人研修」では、入社後に働けるようにすることを目的とした基本的かつ一時的な研修であることがほとんど。
一方で「オンボーディング」では、入社後だけでなく配属後などの長期に渡り、人材教育やサポートをしていくことで先を見据えるというものです。
つまり「新人研修」の目的が「新人の育成」であることに対し、「オンボーディング」の目的は「人材の戦力化」と「早期退職の防止」となります。
2.オンボーディングの主なメリット4つ
オンボーディングを取り入れるメリットは、大きくわけて4つあります。
- 新社員の早期戦力化
- 従業員の定着率アップ(早期離職防止)
- 採用コストの削減
- 結束力の向上
それぞれのメリットについて、詳しく解説します。
オンボーディングのメリット―1:新社員の早期戦力化
オンボーディングを実施することで、新入社員および中途採用社員の成長速度が上がります。
すぐに戦力になってもらえるようオンボーディングで環境を整えておくため、新社員たちがパフォーマンスを最大限に発揮できるまでの期間が短くなるということです。
すぐに戦力として企業に貢献してくれるため、指導員としても仕事に集中できるようになり、企業全体の作業パフォーマンスが上がります
オンボーディングのメリット―2:従業員の定着率アップ(早期離職防止)
従業員が辞めてしまう原因として多いのは、社員どうしのコミュニケーション不足からくる人間関係や、仕事内容への不満です。
オンボーディングでは、社員どうしのコミュニケーションがとりやすい環境を設けるなどの施策も行います。
さらに仕事への理解を深めることでモチベーションを上げたり、やりがいを感じられるよう働きかけるのも施策のひとつです。
従業員の定着率がアップすることで、優秀な人材が育つ環境が整っていきます。
オンボーディングのメリット―3:採用コストの削減
一度採用した人材が長く働いてくれれば、頻繁に採用活動をする必要がなくなります。
さらに社内で人材が成長してくれるため、必要最低限のメンバーだけで効率的に業務を続けることが可能です。
オンボーディングを実施することで、実力のある人材が長期で働いてくれるようになり、結果的に採用コストをおさえられるようになります。
オンボーディングのメリット―4:結束力の向上
オンボーディングでは、総合的に社内環境を良くしていくように努めます。
働きやすい環境には、良い人間関係は必須です。
オンボーディングでは部署などの垣根を超えて、会社全体で従業員が成長してくよう動きます。
新人1人が会社に慣れることを目標にするのではなく、既存メンバーと統合的に働くことで全体を底上げしていくのが特徴です。
従業員たちがお互いとコミュニケーションをとる機会が増えることで結束力が向上し、業務も円滑に進みやすくなるという仕組みです。
チーム力が上がることで企業への帰属意識も強まり、結果的に業績の向上につながります。
3.【中小企業のオンボーディング】まずやるべきこととは?
オンボーディングに力を入れたい中小企業はまず、従業員がお互いを知りたくなるような環境を作ることをおすすめします。
「軽快に細やかな動きが取れる」という中小企業ならではのメリットは、可能な限り活かしていきましょう。
お互いのことをよく知れる環境が整っていると、従業員は自然と「自分と企業の未来を思い描きたくなる」という状態になります。
企業は従業員たちと良い関係が築け、従業員たちは企業により快適に働ける。
お互いのメリットが一致することが、オンボーディングの成功となります。
4.中小企業がオンボーディングを成功に導く3つのポイント
中小企業がオンボーディングを成功させるためにすべきポイントを、具体的に3つお伝えしていきます。
ポイント―1:サポート体制の構築
業務でわからないこと、助けが必要なことがあったとき、お互いをサポートしあえる体制を整えておくように心がけます。
たとえば「チーム」や「バディ」を設定しておくことで、1人で悩み続けて退職に追い込まれる従業員を減らすことができるはず。
いつでも気軽に相談できる環境や、サポートが受けられる体制を日頃から構築していくことが大切です。
ポイント―2:OJTの提供
チームやバディを作ったらOJT(On the Job Training)の機会を提供することで、早期成長が期待できます。
知識は口頭で説明するだけではなく、チームやバディの助けを得ながら実践することで身につきやすくなります。
OJTの目標は、分かりやすく高すぎないものを設定するのがポイントです。
ポイント―3:成功体験のチャンスを作る
OJTで掲げた「高すぎない目標」を、チームやバディのサポート提供により達成に導くという成功体験のチャンスを作ってあげましょう。
その成功はレポートや社内全体での発表で共有し、会社全体の成功とさせることで、会社全体の意識が高まります。
5.まとめ-人材教育にはオンボーディングを実施しよう
採用した人材は「できるだけ長く働いてほしい」と考えるのが人事の本音。
でも欲を言えば、「長く働く上ではやく成長してほしい」「すぐに頼れる即戦力になってほしい」など、採用したその先の未来にも要望があるのが、人事というものです。
オンボーディングで重要なのはやり方であり、特殊なツールなどは特に必要ありません。
ただし、社内全体の協力体制は必要不可欠。
とはいえ、「自社だけでオンボーディングを実践するのは難しい…」と感じている企業もあることでしょう。
・今の業務だけでもすでに手一杯
・新しい仕組みを作る時間的な余裕がない
・もっと業務効率を上げないと採用どころじゃない
このような状態なら、自社で抱え込まなくても良い「バックオフィス業務」のアウトソーシング化を検討してみてはいかがでしょうか。
オンラインアシスタント企業「なげっぱ」では、本来なら誰にでもできるバックオフィスを投げっぱなしにすることで、本業に集中していただけるようサポートをおこなっております。
多業種のバックオフィス業務を担当してきたため必要に応じて、成功に基づいたオンボーディングのノウハウを共有することも可能です。
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