1.SNSとは?
具体的なSNSの種類について触れる前に、まずは「そもそもSNSとは何か」という点についておさらいします。
海外発祥のものだけでなく、日本で生まれたSNSもあり、過去から現代までの流れを振り返ってみると、SNSの有用性が再確認できるはずです。
①SNSとは
SNSとは、英語「Social Networking Service」の略称であり、アプリやネット上でユーザー同士が交流できるサービスのことをいいます。いわゆるソーシャルメディアの一部であり、マスメディアと違い情報の流れが一方向に限定されず、不特定多数の発信→受信→拡散というプロセスで、活発に情報交換が行われるのが特徴です。
ユーザーの興味をひいた情報は、急速にSNSを通じて拡散される可能性があり、よい方向へと転べば有益な情報が世界中に拡散されます。その一方で、社会的に問題がある発言・不適切な発言等も広まりやすいリスクがあり、一部のユーザーが軽い気持ちで発言したことが取りざたされる、いわゆる「炎上」につながるおそれもあります。
②SNSの歴史
現代でSNSと聞くと、主にスマートフォンで利用する「アプリ」を介したサービスのイメージが強いかもしれません。しかし、SNSに近い機能を備えたサービス自体は、1990年代から存在していました。
例えば、eメール・ホームページの閲覧が中心だった時代は、「みゆきネット」という会員制サービスや、掲示板を使ったコミュニケーションで有名な「2ちゃんねる」などのサービスが利用されていました。
日本でさきがけてSNSとしてサービスが提供されていたのは「mixi」で、登場当初は「すでにサービスに登録しているユーザー」の招待がなければ、サービスを利用することができませんでした。 その分、濃密なコミュニケーションがWeb上で行えたため、リアルタイムで利用していた方も多いのではないでしょうか。
2023年現在、様々な種類のSNSが存在していますが、特にLINE、Twitter、Instagram、Facebook、TikTok等のユーザーは多い傾向にあります。 なお、本コラムでは、その中でもInstagram、Twitter、Facebookについて詳しく解説します。
③目的の変遷
本来、SNSは主にプライベートでのやり取り・個人の投稿などに利用されてきました。 しかし、近年ではビジネス目的での利用が増えてきています。
多くの企業が自社アカウントを立ち上げ、自社製品・サービス等のマーケティング活動にSNSを利用しています。情報発信を広告代理店等に依存することなく、自分たちで工夫して自由なタイミングで発信できることから、担当者を据えてアカウントを運用する価値は十分あります。
総務省情報通信政策研究所が令和4年8月に実施した「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(以下調査報告書)」によると、全年代におけるネット利用時間はテレビ(リアルタイム)視聴時間を上回っています。このことから、インターネットは「テレビ以上に魅力的な広告媒体となりつつある」といえるでしょう。
本コラムでは、上記調査報告書より各種数値を参照の上、SNSとビジネスとの親和性について詳しく述べます。
2.Instagram_特徴とビジネスとの親和性
Instagramは、画像などビジュアル的な要素をメインにした投稿が可能なSNSで、初心者や文章作成が苦手な人でも気軽に投稿できるのが特徴です。以下、特徴や利用者層について解説します。
・特徴
Instagramの大きな特徴は、写真・画像・動画といった、視覚的に楽しめる要素を投稿に盛り込める点です。動画投稿という点では、近年「TikTok」というSNSが流行していますが、ユーザーは10代・20代の若年者が中心です。
Instagramを利用すれば、TikTokをインストールしていない、数多くのユーザーにも動画を見てもらうことができます。具体的には、10代・20代はもちろん、30~50代の幅広い世代にも投稿を見てもらえるチャンスが得られます。
実際に投稿を行う場合、スライドショーのような形式で画像・動画を投稿できる「ストーリー」や、最長で90秒の動画を投稿できる「リール」などの機能を使うと、BGMを付けた完成度の高いコンテンツを投稿できます。 また、日時を指定しての予約投稿が可能なため、担当者がある程度まとめて次週の投稿を行うこともできます。
なお、アカウントによっては予約投稿機能が実装されていない場合もありますが、Facebookアカウントを保有している場合は、Facebookのクリエイタースタジオ機能を経由してInstagramにコンテンツを投稿できます。
その他のメリットとしては、アカウントの複数作成が可能な点があげられます。 自社で複数の事業を手掛けている場合、行っている事業によってアカウントを変えて投稿することもでき、多方面での運用が実現します。
・利用者が多い層
調査報告書によると、Instagramの利用者層は主に10代・20代となり、それぞれの利用率は72.3%、78.6%となっています。
性別に関しては、女性の約半数以上の54.8%が利用しており、男性の利用率も42.3%となっています。
・特に親和性の高い業界
Instagramと特に親和性の高い業界・分野としては、アパレル・美容・マタニティ・飲食・観光・その他サービス業などがあげられます。
アカウントページやプロフィールの内容にこだわり、女性を中心とした若年層にアプローチしたいBtoC企業にとって、Instagramは運用しやすいSNSといえるでしょう。
Twitterは、ユーザーが「今」伝えたい内容の文章(ツイート)をつぶやけるSNSです。 画像等を用意しなくても気軽に投稿できる反面、企業アカウントは適切な運用を心がけなければ、逆に自社の立場を不利にしてしまうおそれがあります。
Twitterでツイートできる(投稿できる)内容は、文字数にして140文字という制限があり、ブログのように長文を執筆するのとはまた違った運用が求められます。 運用担当者は、140文字の中でよりインパクトのある投稿を意識して、自社の商品宣伝等に活用する必要があります。
Twitter上では、ニュースやトレンド情報がリアルタイムでツイートされているため、ニュース等をチェックする目的で利用している人もいます。 たくさんのユーザーがツイートを閲覧していることから、自社による情報発信が比較的話題になりやすいという特徴があります。
また、自分がよいと思ったツイートを拡散できる「リツイート機能(RT機能)」が備わっているため、情報が拡散した際のスピードも早くなります。 ツイートへの返信やダイレクトメッセージなど、ユーザーとのコミュニケーションを円滑にする機能も備わっています。
Twitterの運用で、企業が特に注意しなければならないのは、炎上リスクです。 ツイートの内容が、ユーザーの誰かを傷つけるような内容になっていたり、不適切・不謹慎なタイミングでの投稿だったりすると、他のユーザーからの反発を招いてしまうのです。
キャンペーンの訴求の方向性を誤ると、悪い意味で話題になってしまい、経営にも悪影響を及ぼすおそれがありますから注意しましょう。
調査報告書によると、Twitterの主な利用者は20代(78.6%)で、男性の利用率はInstagramよりも高くなっています(46.5%)。 しかし、女性の利用率は45.9%と、男性と大きく変わりません。
Twitterと特に親和性の高い業界としては、ユーザーとのコミュニケーションがマーケティング上重要な、食品・メーカー・観光業などがあげられます。
企業目線で見たとき、Twitterは、なるべく多くの人に自社の情報を知ってもらいたい(拡散したい)BtoC企業向けのSNSに分類されるでしょう。
4.Facebook_特徴とビジネスとの親和性
Facebookには、他のSNSと比べて、ビジネス利用に向いている特徴が見られます。 例えば、取引先を増やす目的でSNSを利用するのなら、Facebookの活用を検討するのも一手です。
・特徴
Facebookは、SNSの中でも珍しい「実名登録制」という特徴を備えています。 実名でつながりが生まれる分、やり取りもフォーマルなものとなり、ユーザーは匿名制のSNSよりも落ち着いてコミュニケーションをとれます。
世界で最も利用者数の多いSNSで、2023年2月時点で利用者数は29億5,800万人と、30億人に届く勢いとなっています。 文章・写真によって日常生活を公開する「日記公開型」のSNSですが、企業のPR・人材採用を目的として利用する場合、テーマを絞った投稿に向いた「Facebookページ」を利用できます。
また、Facebook広告は、他のWeb広告と比較してターゲッティングの精度が高いという特徴があります。
実名・職場・趣味・年齢といった詳細な個人情報を載せる人が多いため、広告に活用する情報の蓄積度が高いものと推察されます。
・利用者が多い層
調査報告書によると、Facebookを利用する年代は30代で45.7%、40代で41.4%となっていて、およそ半数近くの人がFacebookを利用している計算になります。 中小企業の経営者が多く利用しており、ビジネスへの活用に向いているSNSの一つです。
・特に親和性の高い業界
Facebookは、比較的フォーマルな場でビジネスパーソン向けに情報発信をしたい、BtoB企業にとって使いやすいSNSです。 具体的な業界としては、電機メーカー・コンサルティング・製造・アウトソーシング・メーカー等があげられます。
5.まとめ
自社でSNSを運用する際は、それぞれの特徴・利用層を考えた上で、自社に合ったものを見極めることが大切です。 業界・社風等にマッチする、親和性の高いSNSを利用することにより、企業認知・ブランドイメージアップにつながりやすくなります。
とはいえ、人員が限られる中小企業において、SNS運用の時間を工面できる担当者を確保するのは、決して簡単なことではありません。 SNSに投稿したいことがあっても、本業の合間に経営者の方が一から投稿の仕方を学ぶのは、かなりの労力を必要とします。
SNSの運用能力に優れた人材の手を借りたいのであれば、自社で専門の人材を雇用・育成しなくても、オンラインワーカー(オンラインアシスタント)に依頼する方法があります。
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