1. バックオフィスについておさらい
バックオフィスとは、企業の業務分類の一つであり、対義的な意味合いで用いられるものに「フロントオフィス」があります。
まずは、そもそもバックオフィスとはどのような意味を持つ単語なのか、おさらいしていきましょう。
・バックオフィスとは
バックオフィスとは、顧客と直接やり取りする機会が少ない、社内向けの業務・またはそのような業務に従事する職種を指します。
事務や開発業務に従事するスタッフをイメージすると、分かりやすいかもしれません。
組織としては後方支援を担当するセクションであり、直接的に売上に関与する機会こそ少ないものの、営業活動を円滑に進めるための業務に従事しています。
企業全体の組織活動を支える役割であり、営業・販売部門の「帰る家」を用意しているのが、バックオフィス部門のスタッフです。
ただ、売上を出すことが最優先のステージの企業では、アウトソーシングサービスを利用してバックオフィス業務を任せるケースも見られます。
バックオフィスは、企業が成長するにつれて、重要性が増す職種と言えるでしょう。
・フロントオフィス・ミドルオフィスについて
バックオフィスに対して、フロントオフィス・ミドルオフィスという業務分類も存在します。
フロントオフィスとは、単純にとらえればバックオフィスの逆で、顧客と直接接触を持つ部署の総称にあたります。
フロントオフィスの具体的な職種としては、営業・コールセンターなどが該当します。
一見、コールセンターはバックオフィスのように思えますが、顧客の顔が見えない通販などはコールセンターが前線で動くことになりますから、フロントオフィスに分類されます。
あまり聞きなれない業務分類としては、ミドルオフィスがあげられます。
ミドルオフィスとは、フロントオフィスを事務領域以外でサポートする職種が該当し、マーケティング・営業企画・広報などが該当します。
また、ミドルオフィスがフロントオフィス・バックオフィスの間に設置されることで、お互いの意思疎通を助ける役割を担うこともあります。
ただ、どのような職種がミドルオフィスに該当するかは、企業によって異なるものと考えてよいでしょう。
・なぜバックオフィスが重要なのか
企業において、バックオフィス部門が重要視されているのは、企業の経営資源に関わるセクションだからです。
ヒトは人事部・モノは総務部・カネは経理部といったように、経営資源の獲得や管理を任されています。
もし、バックオフィス部門が存在せず、営業・販売担当者が経理・人事も同時進行で進めようとした場合、作業量は膨大になることが予想されます。
そのため、将来に向けた計画を立てることもおぼつかず、経営者が企業を長期的に経営することも難しくなるでしょう。
社内外を見渡せる存在は、経営者だけでは足りません。
企業の課題解決・業務改善のため、現場から意見を吸い上げられる人材もまた、企業にとって必要な存在です。
身体に例えれば、フロントオフィスは筋肉や骨、バックオフィスは脳・内臓です。
そこに血液たるミドルオフィスが介在し、企業は正常な経営を実現できるのです。
2022年8月には、管理部門向けソリューション・サービスの展示商談会「バックオフィスDXPO」が開催されました。また、株式会社MS-Japanによる「管理部門向けサービスのカオスマップ(業界地図のサービス版)」もリリースされています。
このような傾向から、多くの企業がバックオフィス部門の業務効率化を課題にしている状況が見て取れます。
2. バックオフィスの主な職域について
バックオフィスに分類される職域は、企業の体制によっても異なりますが、大きくは以下のような職種があげられます。
これらの職域について、業務効率化を進めていくことが、経営をスマートにするには不可欠です。
3.バックオフィスの業務効率化を進める5つのポイント
自社で業務効率化を進める際には、やみくもに新しいシステムを導入することを考えるのではなく、ポイントを押さえながら動きをかけていくことが大切です。
以下、業務効率化において重要な5つのポイントを解説します。
1. 自動化する
バックオフィス業務の中には、定例化された業務も少なくなく、例えば経理業務が該当します。
こういった業務を、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などを活用して自動化させることで、人間の作業工数を省くことにつながります。
自動化によって期待できる効果としては、人件費・固定費などの経費圧縮があげられます。
新しい人員を雇わなくても、これまで行ってきた業務を回せるようになれば、浮いたコストを別の目的に割り振ることができるでしょう。
2. デジタル化する
手書き・紙ベースでの仕事につき、ミスをいかに減らそうと努力しても、人間の頑張りでは限界がありました。
しかし、データをデジタルで管理できるようになれば、ミスに気付くのも早くなりますし、ミスが起こるリスクも減らせます。
デジタル化によって期待できる効果としては、ヒューマンエラー、修正作業の工数削減があげられます。
余った時間を別の作業に振り分けて、さらなる生産性向上の策を講じることも可能です。
3. 業務フロー(プロセス)を見直す
システム・ソフトウェアの導入だけが、業務効率化を実現する手段ではありません。
これまでの業務フローを見直すことで、無駄なプロセスを削ることも、作業の効率化に貢献するでしょう。
業務フロー見直しによって期待される効果としては、不要な残業など、従業員の拘束時間が減少することです。
誰もが定時で帰れる環境が整うことで、人件費削減と従業員のモチベーションアップを両立できます。
4. 業務分析を行う
業務効率化に向けた改善は、一度行えば十分というものではなく、定期的に行う必要があります。
そのためには、各種業務の定期的な分析とともに、パフォーマンス測定を継続することが大切です。
業務分析に期待できる効果としては、改善点を繰り返し洗い出して修正する中での、収益性向上があげられます。
売上に直接貢献しないバックオフィス部門においては、経費削減が利益を増やすことにつながるため、健全な経営を実現する上で重要です。
5. 従業員を教育する
ツールを用意したり、フローを見直したりしても、従業員の側がそれに順応できなければ意味がありません。
従業員自身が、効率的な作業方法を学んで共有することによって初めて、生産性は継続的に向上します。
従業員を教育することで期待される成果としては、従業員自身のモチベーションアップに加えて、能力向上にともなう収益性向上です。
定期的な勉強会を開いたり、新ツール導入の担当者を決めたりして、知識と経験の共有につとめましょう。
4.バックオフィスを効率化するツール・サービス
バックオフィス業務の効率化に貢献するツール・サービスは多様なため、何を導入・活用すべきなのか判断するためには、各種ツール等の機能を把握することが大切です。
以下、バックオフィス効率化に用いられるツール・サービスについて、主なものをまとめました。
一概に、どのツールが自社の業務効率化に結び付くとは言えませんが、人力で作業するのに比べて圧倒的に時間を節約できることは確かでしょう。
SaaS(クラウドで提供されるソフトウェアをオンラインで利用できるサービス)を選ぶことで、ローコスト、かつ場所を問わない運用も可能になるはずです。
5.まとめ
バックオフィス部門の業務効率化は、会社を健全な形で進化させる上で重要であり、経営課題の解決において無視できない問題です。
しかし、バックオフィス部門の業務効率化だけを目的として、各種ツール・ソフトの導入に投資するのは厳しいとお考えの経営者様・企業担当者様も多いのではないでしょうか。
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