【解説編】二重敬語とは?|敬語の種類を詳しく解説
「二重敬語」について説明せよと言われたら…皆さまは正しく説明できますか?
意味は説明できても、どのような場合が二重敬語とされるのかを詳しく理解できている方は多くないでしょう。
そこで今回は、「二重敬語とは」を学んだうえで、前回コラムのクイズ解説を行っていきます。
二重敬語をマスターすることで、ビジネススキルアップ間違いなしです!(ブックマーク必須!)
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意味は説明できても、どのような場合が二重敬語とされるのかを詳しく理解できている方は多くないでしょう。
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そもそも、二重敬語とはどのような表現のことをいうのでしょうか。
以下、二重敬語の概要や構造について、敬語の種類に触れつつ解説します。
二重敬語と聞いて、敬語を二重に使ってしまう誤りを連想する方は多いのではないでしょうか。
しかし、単純に“敬語を二重に使用すること”自体が問題になるわけではありません。
敬語の使い方として二重敬語が問題になるのは、同じ敬語の種類を二重に用いた場合が該当します。
このように聞くと、人によっては「敬語の種類ってどういうこと?」と疑問に思うかもしれません。
そこで、二重敬語について理解するため、まずは敬語の種類についておさらいしましょう。
日本語における敬語の種類は、大きく次の3種類に大別できます。
上記の中で、丁寧語は比較的分かりやすい敬語のため、誰もが間違いに気付きやすい傾向にあります。例えば、以下の例の間違いなどは、多くの人が気付くはずです。
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原文 :私は会社へ行く。
誤り :私は会社へ行かれます。
正解 :私は会社へ行きます。
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「行かれる」は尊敬語のため、自分に対して使用することはありませんから、この場合の丁寧語としては「行きます」が正解です。
尊敬語になると、間違い探しの難易度が少し上がります。先の例文をもとに確認してみましょう。
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原文 :吉田さんは会社で山田税理士に会った。
誤り :吉田さんは会社で山田税理士にお会いになられた。
正解 :吉田さんは会社で山田税理士にお会いになった。
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誤りの文章では『お会いになられた』という箇所に尊敬語が用いられています。
この組み合わせは、実は「お」+「~られる」という2つの尊敬語が重複しているため、正解としては『お会いになった』が自然な表現となります。
ちなみに、正解の文章につき『吉田さんは会社で山田税理士にお会いになりました』とした場合、「なりました」は丁寧語のため、尊敬語+丁寧語で二重敬語とはなりません。
このように、敬語を組み合わせる際は、同じ種類の敬語が続かないよう注意しなければなりません。
先の例では、丁寧語と尊敬語について、誤りと正解について触れました。一読してみて、間違っている箇所が分かりやすいと感じた方も多かったのではないでしょうか。
実は、ビジネスシーンで二重敬語のミスを犯さないためには、丁寧語・尊敬語以上に「謙譲語」に注意する必要があります。
なぜなら謙譲語は、以下の「謙譲語Ⅰ」と「謙譲語Ⅱ」の2種類に分類されているからです。
ここまでお伝えしてきた通り、敬語のルールの中で、大原則として同じ種類の敬語は二重に用いることができません。
しかし、謙譲語に関しては、謙譲語Ⅰ・謙譲語Ⅱが厳密には異なる意味合いを持っていることから、別物として扱われます。
よって、一文の中で「謙譲語Ⅰ+謙譲語Ⅱ」の組み合わせは認められます。例えば、次のような表現は、いずれも謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱが組み合わさっています。
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○私がお答えいたします。
○駅までお見送りいたします。
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例文の「お答え」も「お見送り」も、その動作が向かう先を立てるために敬語が用いられており、謙譲語Ⅰに分類されます。
これに対して「いたします」は、自分の行為・物事を丁寧に伝えることで相手に敬意を表す意図があり、謙譲語Ⅱに分類されます。
こういった謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱの違いは、敬語を勉強したビジネスパーソンでも間違えやすいポイントのため、使い分けに注意が必要です。
丁寧語の使い方について理解を深める上で知っておきたいのが、美化語の用法です。
そもそも美化語とは、主に接頭詞である「お」や「ご」を名詞等に付けて“物事を美化するための敬語”のことをいいます。
例えば、以下のような美化語は、ビジネスシーンでもよく用いられています。
○ご挨拶
○ご祝儀
○お手紙
接客業などでは、お客様の「お荷物」や「お身体」を気にするケースも多いと思いますが、これらの表現も美化語に分類されます。生活の中で美化語が用いられていることも多く、「お料理」や「ご自宅」といった表現は、普段の暮らしの中でよく聞かれる表現でしょう。
また、美化語には、表現を上品に言い換える使い方もあります。
具体的には、「旨い(うまい)」を「美味しい(おいしい)」に、「腹(はら)」を「お腹(おなか)」に言い換えるケースが該当します。
ちなみに、美化語の使い方としてNGとなるのは、カタカナの言葉や外来語に「お・ご」を付けることです。よく「おトイレ」などと言う人がいますが、正しくは「お手洗い」に言い換えるのが正解で、おビールは「お酒」に、おジュースは「お飲み物」といった形で言い換えます。
なお、美化語を過剰に使用すると、かえって不自然な日本語になってしまうことがあります。
美化語も含め、敬語の使い方について不安がある場合は、念のため自分以外の誰かに読んでもらうとよいでしょう。
それでは上記を参考に、前回のコラムのクイズを 表を用いて解説いたします。
前回、全問正解を逃した方はもちろん、全問正解を達成した方も皆さまぜひご参考ください!
敬語は学校で教わる内容のうちの1つですが、社会人になるまでは、正確な敬語を使う機会はそれほどないかもしれません。
それゆえに、敬語には細かい種類があることを忘れてしまっていたり、気付かないうちに二重敬語になっていたりする方も多いはずです。
ビジネスパーソンとして、敬語を正しく使用するのは当然のことではあるものの、ビジネスメール等を作成する際に細かい部分まで気にしてしまうと、多大な時間がかかってしまいます。
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