中小企業の「2023年問題」は業務整理で解決! 業務効率アップで残業は消滅?!
【目次】
『中小企業の2023年問題』という言葉を最近耳にされたことはありませんか? その響きからは、やや不穏で恐ろしげな感じがします。しかしながら、その内容と背景を理解すると、中小企業にとって前向きで明るい未来を創る、良いターニングポイントにもなっていることが解るのです。
それでは『中小企業の2023年問題』について、解説をします。
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『中小企業の2023年問題』という言葉を最近耳にされたことはありませんか? その響きからは、やや不穏で恐ろしげな感じがします。しかしながら、その内容と背景を理解すると、中小企業にとって前向きで明るい未来を創る、良いターニングポイントにもなっていることが解るのです。
それでは『中小企業の2023年問題』について、解説をします。
厚生労働省・中小企業庁は、時間外労働に関する法改正を行いました。公式の資料(※1)から引用します。その内容は、下記のとおりです。
少し解りづらいので、もう少し具体的にしてみましょう。
一定時間を超える時間外労働への割増率は、中小企業へは“猶予期間”として25%とされていました。しかし、今年の3月31日をもって猶予期間が終了し、大企業と同等の50%へ引き上げられることになったのです。
つまり、中小企業が負担している残業代は 4月1日より “単純計算で今までの2倍になる” ということなのです。
慢性的な労働力不足に悩まされる中、従業員の時間外労働で支えられてきた多くの中小企業にとって、とても厳しい法改正となります。依然として人手不足に悩まされる中小企業にとっては、時間外労働の負担額増は経営にも大きな影響を与えかねない、と言えるでしょう。そして、もし何も対策を立てずに春を迎えたら、一体どうなるのでしょうか?誰しもが不安になります。
これがまさに、『中小企業の2023年問題』と言われる所以なのです。
割増賃金率への対応として、深夜残業や休日労働への取り扱いにも注意が必要となります。
・深夜残業
月60時間を超える時間外労働を、深夜帯(22時~5時)に行わせた場合、深夜割増賃金率として 25%が付け足されることになります。
深夜割増賃金率25%(※) + 時間外割増賃金率50% = 75%
・※代替休暇
深夜残業は従業員の健康へ大変な負担となります。よって、それを担保する代替休暇として、割増賃金25%の支払いの代わりに、有給の休暇を付与することができます。
・休日労働
法定休日労働の割増賃金率は35%です。月60時間の時間外労働時間の算定には、法定休日に行った労働時間は含まれませんが、それ以外の休日に行った労働時間は含まれます。※1
この法改正による結果の影響として考えられること。それは、常に人手不足に悩まされている多くの中小企業の経営者にとって「時間外労働分の負担額が増える」ことです。それでは厚生労働省が、今回の法改正の目的とすることは一体どこにあるのでしょうか?中小企業の経営を圧迫することなのでしょうか?
そうでないとすれば、割増率の引き上げと引き換えに、中小企業からは何を引き出そうとしているのでしょうか?
残業代は労働者による時間外労働から発生します。そして、今回の引き上げ対象に該当する時間帯は『月60時間を超える時間外労働』と定義されています。これは過重労働となる「2~6か月平均で80時間を超える時間外労働(※2)」の前段階にあたり、健康障害を引き起こすリスクが極めて高くなる直前の状況となります。
日本の全企業421万のうち、中小企業は97.1%を占める事実から(※3)、この法改正の目的は、「日本の経済と産業を支える中小企業の労働力を守ることにある」、と考えられるのです。
つまり、人口減少と労働力不足に悩まされる政府が導入した「働き方改革」の実現を促進し、中小企業の未来を創る法改正、とも捉えることが可能なのです。
「働き方改革」は、2019年4月1日、一部業種を除くほぼ全ての企業へ施行されました。今回の中小企業への法改正に際し、厚生労働省はその実現に向け下記3つの取り組みへの実行を呼びかけています。
【中小企業の「働き方改革」実現への3つの取り組み】※4
「働き方改革」は、目標ではなく、あくまでも実現させることに主眼が置かれていることがわかります。よって、このコラムのテーマ「中小企業の2023年問題」への対応も、「働き方改革」の実現へ向けた取り組みでもあることが理解できるのです。
施行から4年が経過する「働き方改革」は、5年目に行われる法改正により、中小企業も大企業も関係なく、全企業・事業者が一体となって取り組むべき国民的改革のひとつとなった、と考えられます。
これは厚生労働省が「働き方改革実行計画」の中で掲げる「長時間労働の是正」「柔軟な働き方がしやすい環境整備」「賃金引き上げと労働生産性向上」等の実現へ向け、今回の法改正と共に具体的な取り組みを迫っている事からも明らかです。だからこそ、中小企業へ対しても大企業と同様の割増率を与えているとも考えられます。
ここからは「中小企業の2023年問題」への具体的な対応策を考えてみます。
繰り返しになりますが、『中小企業の2023年問題』への対応は「働き方改革」の実現へ向けた取り組みの一環でもあります。このことから、この問題への対応の基本は、「時間外労働の削減」にあると考えられます。何故なら「時間外労働の削減」に取り組むことは、「従業員の健康保全に貢献し、経営コストを下げ、魅力ある職場づくりする」という「働き方改革」の実現へ繋がることでもあるからです。よって、組織としての「時間外労働の削減」を実現することは、『中小企業の2023年問題』への対応の基本となります。
時間外労働の削減を果たすために必要な作業、それは「業務仕分け」です。
先ずは、時間外労働が発生する主な要因を確認します。
ご覧のとおり、先に挙げた4つの理由が、全理由のほぼ7割を占めているのです。そして、それらの発生源は個々の従業員や能力とは関連性が薄く、組織に根ざしたものであることがわかります。
そこで有効とされるのが、組織とタスクを俯瞰し、社内業務の把握と整理を効率的に行うことが出来る「業務仕分け」です。
「業務仕分け」では、必要なタスク業務の最適化と不要な業務の洗い出しが行われます。そして、必要且つバランスの取れたタスク業務の再配分が行われることにより、組織全体の「業務効率」が向上します。その結果、時間外労働の発生が抑制され、時間外労働の削減が実現されるのです。
いかがでしょうか?
『中小企業の2023年問題』への対応策として、先ずは「業務仕分け」を行うことをお勧めする理由が、ここにあるのです。
なお、「業務仕分け」の詳しい方法は下記リンク、当サイトのコラムに詳しく解説されています。 是非こちらも参考にしてみてください。
もっと仕事をスマートに!効率化と高品質化につながる業務整理の方法とメリットをご紹介
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これが常に人手不足に悩まされる企業経営者の本音であると思います。このコラムでは、その解決案として、オンラインアシスタントの活用をお勧めします。毎月一定の金額で利用可能なオンラインアシスタントを活用した「業務仕分け」が実現します。更に、従業員の負担となる様々なタスク業務のアウトソース化も実現します。上手に活用し、時間面とコスト面による業務効率アップを果たしてみませんか?
なお、当サイトには、オンラインアシスタントに関する詳しい説明や、上手な活用方法の解説がされているコラムがあります。是非参考にしてみてください。
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以上、『中小企業の2023年問題』とその対応についての解説でした。 この対応への取り組みを切っ掛けにして、先ずは「業務仕分け」から取り組みを始めてみませんか?
なぜなら「業務仕分け」は、「働き方改革」を通した自社の成長を実現させるターニングポイントとなるからです!
今コラムを運営するオンラインアシスタント なげっぱ は、多くの中小企業への「業務仕分け」のサポート経験があります。
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